あおくれ

ここが俺のチラシの裏

頭が弱いオタクのダンマカ感想後半戦

前半戦を書いたので後半戦も書かねばならぬ。

それにしてもイベント終わってから大分経っちゃったなあ……何か、いっぱい色々あったし……5周年イベントとかありましたね、推しが恋人にしたいキャラクターに全く選ばれていなかったの最高に解釈一致で嬉しくなっちゃったな……あと夢女子を絶対に殺る気のイベントは延期されたっけ……何かいっぱいあった。多分。

念のため前半戦のリンクも貼っておきます。2ヶ月前なこともあって書いた内容に全く覚えがないですね!

hog.hateblo.jp

 

もう終わってるイベントなので当たり前のようにネタバレをガンガン入れていきますよ。来年の復刻があると信じてそこで読もうとしている民は気を付けてください。流石に居たらびっくりだけど。

 

以下感想お題目

  • 前半戦感想からの色々
  • 九条天とヴィダ
  • 最後にして最初の偶像

 

  • 前半戦感想からの色々

ストーリー 前半の感想で言っていた、「クヴァルとアルム、フーガとリーベルの一方的な信仰とそれによる苦悩」の顛末については、明暗くっきり分かれた顛末になったのがとても面白かったですね。

しかもご丁寧にフーガとリーベルの関係が破綻したすぐ後に、クヴァルとアルムが新たな関係を紡ぎ始める展開を入れてくる。大分えげつない事するな……

大きな分け目になったのは、状況や立場の違いはあれ自分を信仰してくる相手に対し、私も貴方も同じ人間であり、神様にはなれないし大層なことは出来ないけれども、力を貸して欲しい。といったようなことを言えたかどうかだったように感じました。

リーベルは話すのが遅すぎたと言うより、フーガとの距離感がお互い噛み合っていなかったのが原因なのではないかなと思います。

リベリオンはそもそも、リーベルの思想をもとにしたワントップ型の組織と思われる描写が多く見受けられます。そのような組織の人々を率いるためには、組織の構成員から見てリーベルが絶対的な指針であり続けることが必要となります。

組織のトップと一構成員としてに振る舞うにしてはフーガの位置は近過ぎで、恐らくリーベル自身はクウラと同じく自分が人間であることを理解したうえで付いてきてくれているものだと思っていたためにこの距離で接していたのだと思います。しかし、フーガはあくまでも構成員として、リーベルを絶対的な指針として見てしまうため、人間であることが分かるような距離に居てしまうのは良くなかったのでしょう。どうしようもなく嚙み合わないし、上手く嚙合わせる機会も無かったですね……

対比になっているクヴァルとアルムは、そもそもアルム自身が本人の意志でナーヴ教会を率いていた訳ではなく、1人の人間として友人になりたかったという願いも前編でしっかりとクヴァルに伝えていたことから、物凄く上手くまとまっていたなと思います。

リーベルが終盤に「これからの世界に必要なのは、自分のような人間ではなくアルムのような人間である」と言ったのは、この顛末を踏まえて、リーベルが目指す自由な世界では、ナーヴ教会やリベリオンのように絶対的な何かをもとに組織的に人を率いるのではなく、意志を持つ人々がお互いに助け合い生きてゆくようにしたい、その象徴としてアルムを掲げたいという事だったのではないかと考えています。

 

あと、前半戦でやってた「何が死の媒介か予想」ですが、今見るとまあこんだけ書いたらどれか当たるやろって感じですね、当たらなかったけど! 恥ずかしいね!

>Unknown以外は全集団で最低でも1人ずつ位死ぬんじゃねーのって勝手に思ってるよ!

 ここだけ当たってたの笑ってしまう。しかもルートで生死が分かれるリーベルを除けばしっかり1人ずつ死んでいますね。よく推しが死ぬオタクの持つキャラクターの死に対する嗅覚、褒めてくれてもいいんですよ。

 

 

  • 九条天とヴィダ

もう一つのお題目と合わせて、アルムの配役は何故九条天ではなかったのかみたいな話になります。多分。

今回のイベント、メタ的な事を言ってしまうとTRIGGERが主題歌を受け持ちストーリーのメインかのような扱いとなっていますが、単純に登場シーンの数や作中の人物関係だけで言えばリーベル、アルム、クヴァルの3人がメイン格の役どころです。

普通に考えるとアルム役は九条天になりそうなもので、正直ストーリー読み終わった瞬間はTRIGGERファンから暴動起きないだろうかといった、ちょっと下世話な心配をしました。

ですが、本ストーリーがアイドリッシュセブンのメインストーリーを土台にした作中劇である事を踏まえると九条天をアルム役に配置する事は絶対に出来なかったのだろうなとも思いました。

※この先、アイドリッシュセブンの方のメインストーリーを「メインストーリー」として表記します

 

まずはヴィダについてですが、意図的にメインストーリーにおける九条天のIFキャラクターとして描かれていたのではないかと思っています。

九条天は生ける屍である九条鷹匡の積み上げた犠牲をもとに生まれ、ヴィダは数多の屍により生まれた、ともに死者の声を聞く救世主です。

最大の違いは、ヴィダは最期まで仲間の声ではなく死者の声に殉じてしまったという点になるかと思います。この部分については、メインストーリーの3~4部辺りで九条天がTRIGGERを顧みず九条鷹匡を優先してしまった場合のIFと受け取れます。

作中劇なので誰をヴィダ役にしても良かったのですが、あえて九条天を抜擢しているのは、このIFを見せることによって読み手にメインストーリーのTRIGGERの関係が尊いものであると再認識してもらいたい、また九条天に生ける屍の呪いから解放されて欲しいという願いが込められているためではないかと考えました。

つまるところメインストーリーのTRIGGER賛歌じゃないすか、滅茶苦茶ひねくれた……なんじゃこれ……最高……

 

 

 

  • 最後にして最初の偶像

九条天とヴィダ側の話は前節でしたので、こちらではアルムの顛末と九条天について。

ストーリーのラスト、リーベルの生死でルートが分かれますが、長さからして死亡ルートが恐らくtrueなのでしょう(個人的には生存ルートが短いのが不満ですが……恐らく逃げ延びたミゼリコルドによって新たな天子が造られて人間がほぼ全滅してそこからジワジワ減り続けたとかそういう予想をしていますが実際どうなのか気になる……宇宙から侵略されて人間が全滅たのかもしれないですし……)。

本筋から逸れますけど、カバネとクオンについては両ルートの台詞が対になってて、両方見るととてもエモかったですね。


リーベル死亡ルートでは、アルムが所謂現実で言うところのアイドルのような存在になっている描写があります。

絶対的な信仰の対象としての偶像から、完全ではない身近な隣人の象徴という偶像への変化で、世界も同様に変わりつつあるという締めくくりになります。

このアルムが転身しているアイドル像は、メインストーリーの作中で九条天が否定しているものになります。

完璧なアイドルでなければならない、そうあることがファンへの最大の恩返しであるという信念を持ってアイドルという仕事に挑んでいる九条天にこの役を演じさせるのは、意外性より侮辱であるように感じてしまう人が居てもおかしく無いのでは、と言うか自分はそう感じてしまいます。

今後のメインストーリーで九条天の信念が変わってゆくことになったとしても、作中劇で先取りしてしまうのは不誠実に思います。

なので出番の差はともあれ、九条天がアルム役ではなくヴィダ役でとても良かった、というのが自分の感想です。


あとどうでも良いけどリーベル死亡ルートのクウラとロイエ、千さんが気が利く有能さんだった場合の千葉ファミリーIFって感じで笑ってしまった。千さんはちょっとポンコツなところが可愛いんだなと再認識しました。


終わる!